問題文と、選択肢、解説をベースにメモをとってまとめてますので、このまま理解していただければ対策になります。是非、ご活用ください。
ストリートジャンプ、フラッシオーバ―、フェランチ効果などが出題されます。
送電線の保護
パイロットリレー方式
保護区間の両端の電流情報を比較判断することで、送電線の内部故障か外部故障かを判別し、高速度で確実に選択遮断する方法である。
距離継電方式
故障時の電圧と電流(を測定することにより)から、故障点までのインピーダンスを測定し、それが保護範囲内のインピーダンスより小さければ遮断器に引外し指令を出す
変電所の変圧器のインピーダンスを小さくした場合
インピーダンス:漏れ磁束のリアクタンスと巻線の抵抗を合成した値
分散型電源に関する
高圧の電力系統に分散型電源を連系する場合において、分散型電源を自動的に解列しなければならない事象として、「電気設備の技術基準とその解釈」上、定められていないものはどれか。
次に掲げる異常を保護リレー等により検出し、分散型電源を自動的に解列すること。
・分散型電源の異常又は故障
・スポットネットワーク配電線の全回線の電源が喪失した場合における分散型電源の単独運転
※解列:その施設を系統から切り離すこと
〇連系している電力系統の短絡事故又は地絡事故
〇分散型電源の単独運転
×連系している電力系統におけるフリッカ電圧の発生
〇分散型電源の異常又は故障
分散型電源の異常又は故障によって、系統側に悪影響が波及するのを防止するため
変電所の変圧器のインピーダンスを小さくした場合
変圧器の電圧降下が小さくなるので、変圧器の電圧変動率が減少する
変圧器の電圧変動率が減少するので、電力系統の安定度が向上する
電力系統の短絡電流(短絡時に生じる電流の大きさ)や短絡容量が増加する
変電所の変圧器のインピーダンスを小さくすると、変圧器の全損失が減少する。
電力系統の運用と制御
電力系統の軽負荷時における系統電圧の上昇を抑制するためには、分岐リアクトルを電力系統に対して並列に投入する。軽負荷時には進相電流により系統電圧が上昇するため、分岐リアクトルや静止型無効電力補償装置(SVC)により、進相の無効電力を吸収してフェランチ現象による電圧上昇を抑制する。
系統周波数が上がると、発電機の発電電力を減少させるよう調速機が動作する
電力潮流は、電気構成
電気使用量の需要が大きくなった時、電力用コンデンサ
需要が少なくなった時、分岐リアクトル
電力用コンデンサ:重負荷時(電力供給量に対して電力使用量が大きくなった時)における系統電圧の低下を抑
制するために、電力系統に対して並列に投入する。力率の改善・電圧降下の軽減・電力損失
低減を図る
分岐リアクトル:軽負荷時(電力供給量に対して電力使用量が少なくなった時)における系統電圧の上昇を抑制
するために、電力系統に対して並列に投入する。
電力潮流は、電気構成や送変電設備などにより制約を受け、需要及び供給力に応じて変化する
電力系統内における有効電力と無効電力の流れは総称して電力潮流と呼ばれる
電力系統の安定度を向上させるための対策
低リアクタンスの変圧器(インピーダンスが小さい変圧器)を採用すると、電圧変動率を小さくできるので、電力系統の安定度が向上する。
高リアクタンスの変圧器を採用するときは、電圧系統の安定度が低下しやすいので、直列コンデンサを設置し、系統のリアクタンス及び発電機のリアクタンスを小さくするなどの対策を講じなけばならない。
送電線の並列回路を増やすと1回線あたりの負荷が軽減されるので、電力系統の安定度が向上する
ストリートジャンプ
スリートジャンプとは、送電線に付着した氷雪が脱落したときに、電線が跳ね上がる現象
架空送電線でのスリートジャンプによる事故の防止対策
・垂直径間距離や電線のオフセットを大きくとり、電線同士の接触障害を防止する。
・相間スペーサを設置し、電線接触障害を防止する。
・なるべく氷雪の少ないルートを選定する。
・径間が長いとスリートジャンプが発生しやすいので、径間長を適正にする。
・電線は、単位重量の大きい電線を使用する。(令和3年)
フェランチ現象
フェランチ現象は、送電のこう長が「長い」ほど著しくなり、同じ長さの場合、「地中ケーブル」の方が発生しやすい。
フェランチ現象:無負荷または軽負荷の長距離送電路において、電流の位相が進むことで、受電端の電圧が、送電端の電圧よりも高くなる現象
①単位長さあたりの静電容量が大きい地中電線路では発生しやすい
②単位長さあたりの静電容量が小さい架空電線線路では発生しにくい
③電線路の電圧が高いほど発生しやすい
④深夜などの軽負荷時には発生しやすい
⑤昼間などの高負荷時には発生しない
⑥進み力率の負荷が多く接続されているとき(進相電流が多いとき)には発生しやすい
⑦遅れ力率の負荷が多く接続されているとき(進相電流が少ないとき)には発生しない
静電容量の大きい地中電線路では発生しやすい
静電容量の小さい架空電線路では発生しにくい
フラッシオーバ―
がいし連の絶縁耐力えお上回る異常電圧が侵入したときに発生する。
がいし表面が塩分などで汚染されると、絶縁性能が低下し、フラッシオーバ電圧が低下してフラッシオーバが生じやすくなる
径間逆フラッシオーバを防止するため、架空地線のたるみを電線のたるみより小さくし、架線間に一定の距離を保つ必要がある。
フラッシオーバや径間逆フラッシオーバを防止するためには、鉄塔の接地抵抗を小さくすると供に、アークホーンの間隔を、遮断器の開閉サージによるフラッシオーバが生じないように設定する必要がある。
フラッシオーバ:
送電線への直撃雷などにより、がいし連の絶縁耐力を上回るほどの異常電圧が、がいし連に侵入すると、アーク放電が発生する。このアーク放電が鉄塔などに伝わることによる絶縁破壊現象
径間逆フラッシオーバ―:
フラッ̪シオーバと同様の機構により、鉄塔への直撃雷によるアーク電流が、送電線との間で生じる現象
表皮効果
表皮効果とは、送電線に交流の電流が流れたとき、電線の中心部に近づくほど電磁誘導による起電力(電流と逆向きの方向に働く力)が大きくなるために、電線の表面部に近づくほど電流密度が相対的に大きくなり、電線の中心部では電流が流れにくくなる現象
送電線の表皮効果に関する記述として、不適当なものはどれか。
周波数が高いほど、表皮効果は大きくなる。
導電率が小さいほど、表皮効果は大きくなる。
合計断面積が等しい場合、単導体よりも多導体の方が表皮効果の影響が小さくなる。
表皮効果が大きいほど、電線中心部の電流密度は小さくなる。
線路定数
送電線路は、抵抗・インダクタンス・静電容量・漏れコンダクタンスの4つの定数を持つ電気回路とみなすことができる
線路定数は、電線の種類・長さ・太さ・電線の配列によって定まる。
中性点接地方式
直接接地方式:1線地絡時の地絡電流が大きく、故障の選択遮断が確実となる
消こリアクトル接地方式:1線地絡時の地絡電流が最小、1線地絡時の通信線への誘導障害の影響が最も小さい
抵抗接地方式:中性点の抵抗で1線地絡時の地絡電流を抑制する
非接地方式:距離が長くなると、1線地絡時に異常電圧を発生することがある
地中電線路におけるCVケーブルの絶縁劣化診断法
直流高圧法
誘電正接法
直流漏れ電流法
残留電荷法
分散型電源
分散型電源とは、一般電気事業者および卸電気事業者以外の者が設置する発電設備等であって、一般送配電磁業者が運用する電力系統に連系するものである
分散型電源には、配線用変電所の遮断器が発する遮断信号を、事業者の専用回線で伝送して遮断機を動作(解列)できる転送遮断装置と、単独運転検出装置を設置する必要がある。
逆潮流:分散型電気設置者の構内から、一般電気事業者が運用する電力系統系へ向かう有効電力の流れ
分散型の単独運転を検知するリレー
・逆電力リレー
・周波数上昇リレー
・転送遮断装置
高調波
高調波とは基本周波数の整数倍の周波数を有する正弦波を標準として測定されたもの。
高調波が発生すると、配電系統や、電気設備に様々な悪影響を及ぼすので高調波を低減する対策が必要になる。
・配電系統の短絡容量を大きくする
電源インピーダンスを小さくし、電圧の歪みを少なくする
・供給系統の専用化
・フィルター(リアクトル)を用いる