【電気施行管理技術者1級】『ボイラー・発電系』

ガスタービン発電機とディーゼル発電機の違いを問われる。

目次

汽力発電のランキンサイクル

図に示す汽力発電のランキンサイクルにおいて、タービンの入口から出口に至る蒸気の圧力及び体積の変化を表す過程として、適当なものはどれか。(令和3年)

×給水ポンプ:A→B 圧力増・温度増(断熱圧縮)
 ボイラに給水するために必要な圧力にする
×ボイラ:B→C 温度増・体積増
 熱を吸収して体積大きくする。
〇タービン:C→D 体積増・圧力減・温度減(断熱膨張)
 タービン内で仕事をするため、圧力と温度が小さくなり、蒸気を含むため体積が増える。
×復水器:D→A 体積減
 タービンで仕事した空気が冷却され体積が小さくする。

火力発電プラント制御方式

火力発電プラントの制御方式には、ボイラ追従制御タービン追従制御及びこれら2方式の長所を取り入れたボイラ・タービン協調制御の3つの基本方針がある。

汽力発電所の設備

再熱器と加熱器の違いに注意

加熱器:ボイラで発生させた飽和蒸気をさらに過熱することで、加熱蒸気を作る設備
再熱器:高圧タービンで仕事した蒸気を中低圧タービンで使用するために再加熱する。
復水器:タービンの排気蒸気を冷却凝縮するとともに水として回収する
給水加熱器:タービンの途中から抽気した蒸気でボイラへの給水を加熱する
空気予熱器:煙道の燃焼ガスで燃焼用空気を加熱して燃焼効果を向上させる
節炭器:排ガスに含まれる(煙道ガスの)余熱を利用し、給水するための水を加熱する設備

コンバインサイクル

コンバインサイクル発電における作業流体(空気と燃焼ガス)の流れの順序

圧縮機→燃焼器→ガスタービン→排熱回収ボイラ→蒸気タービン→復水器

蒸気タービンによる汽力発電と比較したコンバインドサイクル

構造が単純なため始動に必要な電力が少ない
ガスタービンの排熱を利用できるため熱効率が高い
起動・停止時間が短い
 コンバインドサイクル:10分 蒸気タービン:60分
温水量が少ないため大気温度が変化すると、発電機の出力が変化しやすい

ディーゼル機関

ディーゼル機関:液体燃料を使用し、往復運動と回転運動により発電する内燃機関である

水冷式

往復動機構のため、ガスタービンに比べて発生振動は大きい
点検整備や分解整備は設置場所で行える
燃料は、軽油やA重油が用いられる
軽負荷時になると燃料の完全燃料が得られにくい
 ・黒煙が発生する
 ・潤滑油の使用量が増大する
 ・タービンにカーボンが付着するなどの不具合が発生する

ガスタービンと比較したディーゼル発電発電装置

原動機本体には水冷式のため冷却水が必要である
燃焼用空気が少ない
 発電に必要な空気量はガスタービンの25-40%
軽負荷時において燃料の完全燃焼が得られにくい
構成部品が多く、重量が重い

振動が多い

ガスタービン

ガスタービン:液体燃料または期待燃料を使用し、回転運動により発電する機関

空冷式
構成部品が少ない
重い

使用燃料は都市ガスなどの気体燃料と、灯油や軽油などの液体燃料がある。
ガスタービンは空冷式なので、本体を冷却するための冷却水は不要
ガスタービンはディーゼルエンジンに比べて、空気過剰率が大きいので、多量の燃焼用空気を必要とする
ガスタービンはディーゼルエンジンに比べて、構成部品が少ないので軽量である。

ディーゼル発電と比較したガスタービン発電装置

燃焼用空気が多い
部品点数が少なく軽量
機関本体の冷却水が不要である
窒素酸化物の発生量が少ない
振動が少ない

非常電源の発電機出力

非常停止として用いる自家発電機の出力は、負荷出力の合計に比例する。その比例係数である発電機出力係数(RG)は、4つの係数から求める。

定常負荷出力係数
許容電圧降下出力係数
短時間過電流耐力出力係数
許容逆相電流出力係数

水力発電

キャビテーション

キャビテーションが発生すると、水車に振動を起こし、異音が発生する
水車の比速度が小さいほど、キャピテーションを抑制できる
キャピテーションが発生すると、効率や出力が低下する
吸出しの高さは高くしすぎない方がキャピテーションを抑制できる
 吸出し管はその高さを6-7mに制限することで、水車のランナに発生するキャピテーションを抑制しなければならない


揚水発電

夜)
深夜や軽負荷時の余剰電力で揚水ポンプを稼働し、下部貯水池から上部貯水池へ水をくみ上げる
昼)
電力需要が多い昼間などのピーク時に、上部貯水池から下部貯水池に水を落下させ、電力を供給する

揚水発電に関する記述として、最も不適当なものはどれか。(令和3年)

〇系統の供給余力電気エネルギーを水の位置エネルギーに変換して蓄え、これをピーク時等に電気エネルギーに変換し
 て供給する。
×河川の流量に制約されるため、一般水力発電に比べて地点選定が困難である。
 揚水発電は一般水力発電とは異なり、貯水池の水を利用できるため、地点選定が容易
軽負荷時に揚水することによって系統の負荷率を改善し、火力発電所の稼働率が向上する。
〇可変速揚水発電システムは、深夜あるいは系統需要が少ないときに揚水運転をしながら、可変速運転により入力を調
 整し、周波数調整を行う。

その他

流込み式水力発電:河川の水をそのまま利用するため、出力は河川自流に依存する

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